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矯正基礎ガイド

guide to basic orthodontics

歯並びを改善したいとお考えの方へ

近年、歯列矯正に関する情報が手に入りやすくなってきました。ただし、矯正治療にはさまざまなアプローチやスタイルが存在し、歯科医によっても治療方法は異なる場合があります。
ここでは、矯正治療を希望する方々が、矯正治療に関する基礎知識を得るきっかけとなるよう、情報をまとめました。
より詳細な情報をお求めの方は、各治療方法や専門の記事、よく寄せられる質問ページをご覧いただくことができます。また、無料のカウンセリングもお気軽にご利用ください。

what is orthodontics?

歯列矯正とは?

矯正治療は、歯にワイヤー装置やマウスピース型の装置を取り付け、適度な力をかけることで歯並びを逐次的に整える治療法です。
この治療では、歯の外見だけでなく、咬み合わせの調整も重要視されます。

矯正治療の方法には何がある?

大人の矯正治療には大きくわけて「ワイヤー矯正」「マウスピース型矯正」の2つの矯正方法があります。矯正方法と言っても、異なるのは「矯正装置」で、基本的な治療の方法には差がありません。

またワイヤー矯正では、歯の表側につける唇側矯正と歯の裏側に装置がつく裏側矯正の2種類があります。

ワイヤー矯正

歯にブラケットと呼ばれる小さな矯正装置をつけ、そこにワイヤーを通し、ワイヤーの力で歯を動かしていく方法。

表側につく唇側矯正

装置が歯の表側につく矯正方法。以前は金属の装置が目立っていたが、最近では、歯の色に近いセラミックの装置などが登場している。

裏側につく裏側矯正

装置が裏側につく矯正方法。目立ちにくい他、歯を引き込みやすく様々な症状に対応できる。

裏側矯正について

マウスピース型矯正

透明なプラスチックのマウスピースを歯列にはめる矯正方法。患者さまで取り外しが可能。

マウスピース型矯正について

things to know

歯並びについて知っておくべき5つのこと

どんな歯並びでも治せる?

矯正治療により、歯の配置の乱れや前出し・隙間のある歯、かみ合わせの問題である不正咬合など、さまざまな課題を改善することが可能です。

出っ歯(上顎前突)

上の前歯部分が飛び出た歯並び。

がたがた(叢生・乱杭歯)

歯並びが全体的に乱れており、八重歯も含まれます。

すきっ歯(空隙歯列)

歯の間に隙間が生じる歯並びや、前歯の間に生じる正中離開(前歯の間が開いてしまうこと)が見られます。

受け口(下顎前突)

下の前歯部分や顎が前方に突出した歯並びがみられます。

開咬(オープンバイト)

前歯の噛み合わせが合わず、上下に隙間が生じている歯並びがあります。

過蓋咬合(ディープバイト)

かみ合わせが深く、上の前歯が下の前歯を隠してしまう歯並び。

歯並びが悪くなる原因は?

歯並びやかみ合わせが悪くなる要因は多岐にわたりますが、主に以下のような要因に分類されます。

  1. 顎の骨の発育不良
  2. 骨格・歯の大きさなどの遺伝
  3. 口呼吸、頬杖、唇噛み、舌癖などの癖(態癖[たいへき])
  4. 虫歯や歯周病で歯を失い、十分な治療を行なっていない

大人になってから歯並びが気になり始める場合、歯並びを悪化させる習慣や姿勢が原因として関与していることがあります。さらに、親知らずの生え方によっても歯並びに影響を及ぼすことがあります。

歯並びとかみ合うせが与える影響

歯並びやかみ合わせの問題は、一般的に見た目(審美性)の面から考えられがちですが、実際には機能面にも悪影響を及ぼすことがあります。歯並びやかみ合わせが乱れていると、噛む、話す、呼吸するなどの機能にも不具合が生じることがあります。

  1. 口元の見た目が良くない(でこぼこ・口ゴボ)
  2. 虫歯や歯周病になりやすい(歯が重なり合って清掃が難しい)
  3. 咀嚼がうまくできない
  4. 口呼吸になりやすい(出っ歯や開咬などの場合)
  5. 滑舌に苦労する
  6. かみ合わせの悪化により、顎に負担がかかり、顎関節症を引き起こす

きれいな歯並びになるには?

歯並びを改善するためには、一般的に矯正治療と審美治療の2つの方法があります。

矯正治療

先述したように、矯正治療は歯に力を加え、歯の根元から位置を整えていく治療方法です。骨は力が加わると変化する性質を持つため、このメカニズムを利用して歯並びを改善します。
大人の矯正治療では、様々な種類の矯正装置が使用されます。以下には主に使用されるものの一部が挙げられます。

リンガルブラケット装置

目立ちにくい裏側矯正

マウスピース型装置

アライナー型装置・透明で取り外せる

マルチブラケット装置

表側・セラミックの白いブラケットなど

マルチブラケット装置とは、歯の表面に取り付ける金属製のブラケットとワイヤーで構成される装置です。これまで歯の表面に装着する装置は存在していましたが、最近では大人の矯正治療において、歯の裏側に取り付けるリンガルブラケット装置の人気が高まっています。
さらに、比較的新しい矯正装置としてマウスピース型装置があります。透明で目立ちにくく、取り外しが可能な特徴を持ち、従来の矯正装置に比べて心理的なハードルが低い傾向があります。

審美治療(セラミック矯正)

主に前歯の領域を中心に、セラミック製の歯で天然歯を置き換えることによって、歯並びを整えることができます。
この方法では、歯の色や形の悩みも解消することができますが、天然歯を大幅に削る必要があるため、慎重に検討する必要があります。

矯正治療のメリット

矯正治療には、審美的な面だけでなく機能的な面にも大きな利点があり、さらにそれらのメリットは心理的な面にも多くの影響を与えることがあります。

  1. 歯・口元の見た目の改善
  2. かみ合わせと顎関節の改善
  3. 虫歯・歯周病などの予防
  4. 咀嚼機能・発音の改善
  5. 口が閉じない問題や口呼吸の改善
  6. 歯並びや口元に自信がもてる

矯正治療の料金・費用

歯列矯正の費用は、矯正方法(矯正装置)や治療範囲、クリニックによって異なります。全ての歯が対象の全顎矯正ですと、70万円〜150万円程度が相場となります。

矯正治療費には何が含まれるの?

一般的に「矯正治療費」と言った時には、矯正装置代、技工費用、技術料、調整・管理料など、治療中に必要なものの費用が含まれています。

ただ、クリニックによって毎回の処置費用の扱いが異なるので、注意が必要です。

総額(トータルフィー)制と処置費用別払い制について

矯正治療では、矯正治療期間中に定期的な通院が必要となります。その通院の際に発生する処置費用(通院費用)の扱いはクリニックによって違います。

総額(トータルフィー)制

総額制は、料金表に書かれた金額に、毎回の処置費用が含まれている料金制度です。そのため、毎回の通院時に処置料を支払う必要はなく、矯正治療に必要な総額も分かりやすい特徴があります。渋谷矯正歯科はこのトータルフィー制度をとっています。

処置費用別払い制

「矯正治療費」として支払う金額以外に、毎回の処置料が発生するタイプの料金制度です。処置費用が含まれていない分、料金表の価格は抑えめとなりますが、通院ごとに費用が発生するので、矯正治療中にどのくらい通院するのか、延長した場合にはどうなるのかなどあらかじめ確認する必要があります。

検査費用や抜歯費用、矯正治療後のメインテナンスも

検査は基本的に治療契約前に行います。レントゲン・歯科用CT・口腔内チェックなど、しっかりとした検査を行うクリニックでは、3万円〜6万円程度が検査費用の相場となっています。

その他、抜歯を行う場合の抜歯費用や、治療が完了した後のメインテナンス期間にもお金がかかります。

矯正治療の治療期間は?

矯正治療の治療期間は、患者さんの歯並びによって異なります。

部分矯正で数ヶ月〜1年

前歯だけを対象にした部分矯正ですと、数ヶ月から1年程度で歯並びを整えられます。ただ、部分矯正は比較的軽い症状を対象とした矯正プランですので、歯並びによっては利用できない場合もあります。

部分矯正について

全体矯正で1年半〜2年半

全体矯正でも、歯並び・かみ合わせの症状によって治療期間に差がありますが、多くの場合、1年半〜2年半で矯正装置を外すことができます。

矯正装置の選択や、歯科矯正用アンカースクリューの使用によって期間を短縮できることもあります。

治療期間を左右する?
「治療計画」

精密検査や患者さまの歯型データから、どの歯をどの順番でどのくらい動かしていくか、を決めていくのが治療計画です。この治療計画には矯正治療の経験・咬合知識などが必要となり、治療計画によって仕上がりや治療期間に差が出ます。

この治療計画をシミュレーションにて事前に見せてもらえるクリニックもあるので、クリニック選びのひとつの指標にしてみてもいいかもしれません。

矯正治療の医院、どうやって選ぶ?

矯正治療では、少なからず費用面・時間面での負担が患者さんにかかります。また、大人になってからの矯正治療はできれば一度で終わらせたいものです。

金額、通いやすさ、先生・スタッフの人柄など、患者さんによって求めるものは違うと思いますが、「矯正治療を専門的に扱うドクターがいるかどうか」は重視したいポイントです。

矯正専門かどうか

矯正治療を扱う医院には、矯正専門のクリニックと一般歯科や矯正歯科が併記された複合型クリニックがあります。いわゆる街の歯医者さんでは、虫歯治療などの他、矯正治療を合わせて扱う医院も多くあります。

ただ、矯正治療分野は専門性が高いので、そのドクターが矯正治療に詳しいか、専門的に取り扱っているかどうかは確認する必要があります。

矯正専門クリニック

一方、矯正治療を専門に扱うクリニックでは、在籍するドクターは矯正治療を専門に扱い、また歯科衛生士やスタッフも矯正治療専門の資格や教育を受けていることが多いです。

咬合についての知識はもちろん、矯正治療のリスクへの配慮、難しい症状への対応など、さまざまな症状へ臨機応変に対応できる治療体制となっています。

また、各矯正歯科学会の専門医や認定医が在籍・治療を行うのも、このタイプの医院で、治療のための設備も整っている傾向にあります。

設備は整っているか?

治療に重要なのは、もちろんドクターの知識や技術です。しかし、現在ではその治療を支え、矯正治療の成功に貢献するような設備が次々に登場しており、そのような設備が整っているかどうかもクリニック選びのポイントとなります。

歯科用3DCT

顎周辺を立体的に映し出すことができるため、歯の位置関係や顎の骨の形状・大きさなどを把握しやすく、治療計画の立案や矯正治療に伴うリスク管理に役立ちます。

歯科用3DCTについて

口腔内3Dスキャナー

矯正装置を作るための歯型の取得(印象)をデジタルで行うスキャナーです。患者さまの負担を減らす他、矯正装置の精度を高め、デジタルシミュレーションも可能になります。

口腔内3Dスキャナーについて