投稿日:2024.11.14
開咬(オープンバイト)を自分で治せる?放置するとリスクはあるの?
皆様、こんにちは!
渋谷駅から徒歩3分の矯正専門医院「渋谷矯正歯科」です。
「歯を上下でしっかり噛み合っているのに、鏡で確認すると上下の前歯の間に隙間がある……」と悩んではいませんか?
じつは、このような歯並びを「開咬(オープンバイト)」と呼びます。
開咬が気になり自力で治したいと考える方も少なくありません。
そこで今回は、開咬の特徴や種類、自力で治せるのか、放置するリスクや治療方法を解説します。
目次
開咬(オープンバイト)とは?
開咬の特徴
開咬とは、しっかり上下の歯で噛み合ったときに隙間ができてしまう歯並びのことを指します。
上下の歯が一部だけ接触しているが、前歯だけは上下しっかり噛み合っていない、もしくは軽く接触しているだけの状態をいいます。
全体的に歯並びがガタガタと乱れているわけではないため、悪い歯並びと気付かない方もいらっしゃるかもしれません。
前歯でお肉や麺類を噛んだときに、しっかり噛みちぎることができない方は開咬かもしれません。
通常は、下の前歯を上の前歯が3分の1くらい覆いかぶさっているのがよい噛み合わせの状態といわれています。
しかし、開咬になると噛み合わせるのが難しく下の歯がしっかりすべて見えている状態になります。
開咬の基準
開咬は、以下を基準に判断されます。
- ・上下の前歯の隙間の程度
- ・奥歯が噛み合っているか
- ・顎の骨格的な問題
- ・舌の位置や機能
- ・お口周りの筋肉の状態
- ・口呼吸か鼻呼吸かの判断
上記のことを基準として、開咬の状態や治療方針を決定していきます。
当院では、カウンセリングはもちろんレントゲンやセファログラムの撮影、口腔内の写真、視診などの検査を行ってから患者様に適した治療をご提案させていただきます。
軽度の開咬
軽度の開咬の場合は見た目では気付かない方も少なくありません。
- ・ラーメンやうどんなどの麺類を前歯で噛み切りにくい
- ・「サ行」や「タ行」など舌を強くはじいて発する言葉が聞き取りにくい
などの症状があれば、開咬の可能性があります。
このような状態であれば、歯並びが悪化する前にお口周りの筋肉を鍛えるトレーニングや歯列矯正によって歯並びを改善することができます。
【軽度の開咬の特徴】
上下の前歯の隙間:1〜2mm
奥歯の噛み合わせ:適切な状態
中程度の開咬
軽度のときに比べると前歯の隙間が気になるようになります。
- ・前歯で食べ物を噛み切れない
- ・会話中に聞き返されることが多い
- ・無意識のうちに口呼吸になる
この状態であれば、自力で改善することは難しく歯列矯正を行うことがおすすめです。
また、歯列矯正と同時期にお口周りの筋肉を整えるトレーニングを併用することで、よりスムーズに治療が進み、後戻りのリスクも低減できます。
【中程度の開咬特徴】
上下の前歯の隙間:2〜4mmくらい
奥歯の噛み合わせ:崩れていることが多い
重度の開咬
上下の前歯の隙間が大きいため、自分でも開咬ということが判断できます。
- ・前歯でものを噛み切れない
- ・滑舌が悪く発音が不鮮明
- ・普段から口呼吸になっている
- ・骨格的な問題がある場合が多い
このような重度の開咬になると、歯並びだけではなく顔の見た目にも違和感を覚えることもあります。
骨格的な問題がある場合は、下の顎が後退して上の顎が目立って見えるため、顔が縦長に感じるでしょう。
歯列矯正はもちろん、患者様の骨格によっては外科治療をご提案させていただくことがあります。
【重度の開咬の特徴】
上下の前歯の隙間:4mm以上
奥歯の噛み合わせ:崩れている
開咬の種類
開咬の種類を大きく分けると2種類あります。
ここからは「歯性開咬」と「骨格性開咬」を詳しくみていきましょう。
歯性
歯性開咬とは、歯の生える向きが原因で引き起こされる開咬です。
幼い頃から舌で歯を押す癖や、指しゃぶりをする癖が治っていない方や、口呼吸が開咬になるリスクを高めます。
また、親知らずが生えてきたことで奥歯が前歯よりも先に噛み合ってしまい、大人になってから開咬になることもあります。
骨格性開咬
骨格性開咬は、上下の顎に問題がある場合です。
骨格は遺伝により両親に似ることがわかっており、両親どちらかが開咬であればお子様に遺伝するリスクが高まります。
開咬は自分で治せる?
開咬になっていると自覚している方の中には、自力で歯並びを整えたいと考えることもあるでしょう。
ただし、開咬は自力で治すことは難しいのが現状です。
自己流で歯並びを改善しようとすると、かえって開咬を悪化させるリスクも高まります。
ただし、開咬になるリスクである舌の癖や舌の位置関係を見直して改善することで、開咬になることを防ぐことはできます。
本来は、舌先は上の前歯の少し後ろにある「スポットポジション」と呼ばれる膨らみのある部分に安定させておくことが望ましいです。
舌の筋力が低下していたり、そもそも舌に筋力がなかったりすると舌先を安定させることが難しく、舌は下方に落ちて前歯を押したり、舌を前歯で噛んだりする癖により開咬を引き起こしやすくなるからです。
開咬と気付いたら、自己流で治そうとはせずに矯正歯科に相談に行き適切な治療を計画することが大切です。
開咬を自力で治すリスク
開咬を自力で治すと、以下のようなリスクが伴いますので歯並びの専門である矯正歯科にご相談にお越しください。
顎への負担
無理やり顎の位置関係や噛み合わせを変更すると、歯はもちろん顎の筋肉に負担がかかることがあります。
顎の負担が続くと「顎から音がなる」「顎が痛い」「お口を大きく開けられない」という症状が現れる顎関節症になるリスクがあるためやめましょう。
歯並びの悪化
開咬を自力で治すとさらに歯並びが悪化することがあります。
よかれと思って歯並びを自己流の方法で改善するのはやめて、専門的な知識と技術のある矯正歯科に相談に行くのが望ましいです。
歯並びがよくなるはずの時間や労力を歯並びの悪化のためにさくのは悲しいですよね。
開咬を放置するリスク
開咬を放置すると、以下のようなリスクが伴います。
食事への支障
開咬になっていると上下の前歯で食べものを噛み切ることが困難なばかりか、食べものを噛んでいる間にお口からこぼれやすくなります。
食事中にクチャクチャと音がなることもあり、行儀が悪いと思われることも。
滑舌が悪くなる
上下の前歯に隙間があるため、会話中に空気が漏れ出しやすく「サ行」や「タ行」が言いにくいと感じます。
見た目
歯並びの見た目が気になることで、にっこり歯を見せることに抵抗があることも。
歯並びがきれいに整うと、お口元に自信が持てるため笑顔が増えて性格が明るくなる方もいらっしゃいます。
口呼吸
歯をしっかり閉じられないため、口呼吸になる方も少なくありません。
口呼吸は鼻呼吸の方よりも、ウイルスや細菌を体内に取り込みやすいため感染症などのリスクが高まります。
顎関節症のリスク
適切ではない位置で上下の歯が噛み合っている時間が長く続くと、歯だけではなく顎にも負担がかかります。
顎関節症の治療には噛み合わせを適切な位置にすることが大切だといわれていますので、歯並びを整えることで予防にもつながります。
開咬は放置せずに矯正歯科にご相談ください!
開咬は上下の前歯の間に隙間がある状態で、放置しておいても自然によくなることはなく、自力で改善することも難しい歯並びです。
当院では、「表側矯正」「裏側矯正(舌側矯正)」といったワイヤー矯正をはじめ、取り外しができる「マウスピース型矯正」も選択いただけます。
開咬の状態により患者様に適切な装置や治療方針をご説明することもできますので、お気軽にカウンセリングにお越しください。