投稿日:2023.6.4
歯を抜かずに出っ歯を治すカリエールとは?
こんにちは。
渋谷矯正歯科です。
いつも当医院のブログをご覧いただき、ありがとうございます。
出っ歯を治す際、どのような治療が行われるのか気になりますよね。
通常出っ歯の場合は、前から4・5番目の歯を抜いてスペースを確保するのが一般的です。
しかし、出っ歯の状態によってはカリエールを用いることで、歯を抜かずに治せる方法もあります。
そこで、今回はカリエールとはどのような装置なのかについて紹介します!
目次
出っ歯の定義
出っ歯とは、上の歯が前に大きく突出した歯並びのことです。
上の歯は下の前歯よりも2~3mm前に出ている状態が正常で、4mm以上前にでていると出っ歯と認められます。
実際の症例写真をご紹介しますね。
2~3㎜
前歯も真っ直ぐに生えており、正常な状態です。
4㎜以上
4mm以上となると前歯が斜めに生えていることが多く、出っ歯と認められます。
出っ歯のセルフチェック方法
自分は出っ歯なのかどうかは、鏡やスマートフォンのフロントカメラを使って確認できます。まずは自分が出っ歯なのか簡単にチェックしてみましょう!
1.横から見たときに口元がもっこり前に出ている
出っ歯の方は口元がEラインよりも出ていることが多いです。
Eラインとは、鼻の先からあごの先を結んだ線のことです。
このラインよりもほんの少し内側に入っていると、美しい横顔と言われています。矯正治療では、横顔の美しさの基準としてよく用いられています。
2.前歯が出て唇が閉じづらい・無意識に口が開いていることが多い
出っ歯は突出した前歯が邪魔になって唇が完全に閉じられないことが多いです。
そのため、無意識に口が開いてしまうことがあります。
3.口を閉じようとするとあごにシワができる
唇に力を入れないと閉じられないため、あごに梅干しシワができてしまうことも。
抜歯矯正による出っ歯の治療
矯正治療の方法はさまざまですが、前歯が大きく前方の突出しているような出っ歯は歯を抜く必要があります。
これを「抜歯矯正」と呼び、歯を抜くことで前歯を引っ込められるスペースが作られるのです。
抜歯矯正の症例
実際に抜歯矯正の症例を見ていきましょう。
治療前
前から4番目の歯を抜いた状態です
治療後
抜歯矯正による出っ歯の治療は、前歯を後方に動かしていきます。
カリエールによる出っ歯の治療
健康な歯を抜いてまで出っ歯を治すのは……という方や、スペースがない状態でもっと歯を引っ込めたい場合に「カリエール」という装置を使うことがあります。
健康な歯を抜いてまで出っ歯を治すのは・・・という方や、スペースがない状態でもっと歯を引っ込めたい場合にカリエールという装置を使うことがあります。
カリエールとは、奥歯を効率よく後方に移動させて歯を並べるスペース不足を解消する補助装置のことです。
カリエールにはメタル(銀色)のものとクリア(透明)の2種類があります。
歯の動きに変わりはないですが、当院では目立たないクリアが人気です。
カリエールの使い方
カリエールは、犬歯と前から6番目の奥歯につけて、上下でゴムかけをすることで犬歯から奥歯を後方に動かします。
ゴムかけを患者さん自身に頑張っていただく必要があり、ゴムかけの使用時間が守れない場合は治療がうまく進みません。
カリエールは、ワイヤー矯正やマウスピース矯正を行う前段階の処置として数ヶ月装着するのが一般的です。
カリエールを使った矯正治療の症例
毎日ゴムかけの使用時間を守って頑張ると仕上がりがとても美しいです。カリエールを使用した歯を抜かない出っ歯矯正ですが、患者さまにも変化を感じていただけます。歯を抜くのがこわくて矯正治療に踏み出せない方にもご検討いただけますと幸いです。
カリエールのメリット
カリエールには、以下のメリットがあります。
抜歯せずに出っ歯の改善が期待できる
カリエールを用いることで歯を後方に動かし、スペースが作られるため、抜歯せずに出っ歯を改善できる可能性があります。
ただし、全ての症例に当てはまるわけではありません。カリエールが適応になるかどうかは、精密検査が必要になります。
治療期間の短縮が期待できる
カリエールは、犬歯から奥歯にかけて歯を4~5本を、同時に後ろへ移動することが可能です。そのため、ワイヤー矯正だけと比較すると、約30%以上の治療期間を短縮できると言われています。
カリエールのデメリット
カリエールには以下のデメリットがあります。
適応症例が限られている
カリエールは全ての出っ歯に適応するものではありません。また、歯の凹凸が強い症例は、カリエールを装着できないため適応外になることが多いです。
ゴムかけが必要
カリエールはゴムかけが必須になります。
ゴムかけは食事と歯みがき以外にも装着する必要があり、時間を守れないと効果が得られず治療期間が延びてしまうことがあります。そのため、歯科医師が指示した時間は必ず守るようにしましょう。
その他の歯を抜かない矯正方法
歯を抜かない矯正方法は、ほかにも「ディスキング(IPR)」と呼ばれる方法があります。これは、歯と歯の間をすこしヤスリで削ってスペースをつくる方法です。ただし、抜歯矯正やカリエールと異なり、できるスペースはほんのわずかです。軽度の症例に適していますが、重度の症例は抜歯やカリエールが推奨されます。
どの矯正方法が適しているのかは、患者さんの歯並びの状態や矯正の目的によって異なります。
歯を抜かない矯正が気になる方こちらの記事をご覧ください★
歯を抜かない治療方法(症例写真有り)
出っ歯は治した方がいい?
出っ歯は自然と奥歯を駆使していて過剰に負担をかけている状態になっています。そのため、奥歯の寿命を減らしてしまいます。
虫歯治療をした詰め物が欠けやすくなったり、歯の根っこの治療をしている場合は、歯の根っこの部分が折れるリスクが高いです。
折れてしまうと手の施しようがないため、入れ歯やインプラント埋入が必要になります。
さらに、出っ歯により口が閉じづらい場合は無意識のうちに口呼吸が習慣化し、虫歯や歯周病にもなりやすく口臭の原因にもなります。
出っ歯は日本人の10人にひとり以上の割合で存在しますが、ご自身が出っ歯であることに気づいていない方もいらっしゃいます。
もしくは気づいているけどそんなに気にしていない方も多いです!(笑)
実際わたしは矯正歯科で働くようになってからひとと話すときに歯並びをみる癖がついてしまい、
出っ歯のともだちに「出っ歯を治したいと思う?」と聞いたことがあります。
その友達は「出っ歯なのは知ってるけど、矯正するほどじゃないでしょ〜」と言ってました。
私もこの仕事をしていなければ、出っ歯な人を見ても気にならなかっただろうし、本人が気にしていないのなら治す必要はないと思っていたはずです。
しかし!放置した結果どうなるかを実際に現場で見ているからこそ、治した方がいい理由をたくさんの方に知ってほしいです!
出っ歯や口元の突出感をコンプレックスに感じている場合は、矯正をすることで前歯を引っ込めてEラインが整い、コンプレックスが解消します。
治療することで噛み合わせも改善して歯の寿命を延ばすことができますよ(^^)/
まとめ
抜歯矯正もカリエールもそれぞれにメリット・デメリットがあります。矯正期間や歯並びの仕上がりなど優先順位によって、その人に合った矯正方法も変わってきます。
歯列矯正をはじめる前は必ずカウンセリングや検査をしてご自身に合った方法で治療をうけられるようにしてくださいね。
渋谷矯正歯科は矯正前のカウンセリングを無料でご案内しています!
歯列矯正に興味がある方はお気軽にお問い合わせください。
最後までご覧いただきありがとうございましたっ!