矯正治療で親知らずの抜歯は必要か?(その1)
こんにちは。歯科医師の髙田です。
少し遅いかもしれませんが、あけましておめでとうございます。
今年も渋谷矯正歯科に通ってくださる患者様によりよい矯正治療が行えるように考えて治療しますので宜しくお願い致します。
今回は、矯正治療と親知らず抜歯の関係について説明していきます。説明すると長くなるので2回に分けて説明致します。
診療に入っていると患者様に親知らずを矯正治療を始める前に抜歯したほうがいいですか?
とよく質問されます。
親知らずを抜かないと矯正治療できないと思っている方や抜かなくてもよいなら矯正治療したいと考えている人など様々な方がいます。
このように疑問に思っている方がかなり多いのでお答えします。
結論から申しますと人によっても違いますし、治療方針によってもかわってきます。
大きく3パターンに分けられるので詳しく説明していきます。
①矯正治療前に必ず親知らず抜歯が必要なケース
ⅰ健康な歯を抜いて口元を大きく下げたい人
健康な歯を抜いてそのスペースを前歯を下げるのに使用して口元を下げていきますが
親知らずが残っていると親知らずが奥歯を前方に押してしまって健康な歯を抜いてせっかく作ったスペースを
失ってしまうことがあるのでその場合は先に親知らず抜歯となります。
ⅱ開咬を治したい人
下図のような噛んだときに前歯のところに大きく隙間があいてしまう状態を開咬といいます。
軽度な開咬はこれにあてまらないのですが、中等度~重度な開咬を改善するためには健康な歯を抜く必要があります。
この場合、上下共に健康な歯を抜くことが多く口元を下げるときと同じで前歯をさげていかないと
開咬は治りません。
先程と同じで前歯を下げるスペースを親知らずを残すと失うことがあるので矯正前の抜歯が必要となります。
ⅲ鋏状咬合を治したい、奥歯の反対咬合を治したい人
下図のように上の奥歯が外側、下の奥歯が内側に向いていて上下でかみ合っていなくすれ違ってしまっている
嚙み合わせのことを鋏状咬合といいます。
鋏状咬合を改善するときに親知らずが引っかかっていて治せないことが多いので矯正前に親知らずの抜歯が必要となります。
また、奥歯の反対咬合も同様の理由で親知らずが邪魔をして治せないことが多いので事前に抜歯していきます。
他にも矯正治療前に親知らずの抜歯が必要となるケースはあると思いますが、代表的な3つのパターンについて説明してきました。
次回は逆に親知らずを抜歯しなくても矯正できるケースについて説明していきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。