投稿日:2024.12.13
でこぼこの歯(乱杭歯)は矯正でどこまで治せるの?
みなさん、こんにちは。
渋谷矯正歯科です。
歯並びによって様々な名称がありますが、「乱杭歯(らんぐいば)」と言う歯並びはご存知ですか?
あまり聞き馴染みがないとは思いますが、乱杭歯とは専門用語では「叢生(そうせい)」と言われており、簡単に言うとデコボコに生えている歯並びのことを言います。
八重歯も乱杭歯に分類され、日本人で最も多く見られる不正咬合です。
そしてその割合は年々増加傾向にあり、現代病でもあることが乱杭歯の原因でもあります。
原因を理解することはとても重要であり、乱杭歯の放置は全身への悪影響を与えるので、治療を前向きに検討することも大事です。
ご自身やお子様など大切な人のために知識を身に付けておくと、不正咬合を予防できる可能性もあるので、是非参考にしてみて下さい。
目次
乱杭歯(らんぐいば)とは?
乱杭歯とは歯が重なったり、歯列から飛び出していたり、八重歯など凸凹に生えている状態です。
日本人の不正咬合の割合は60%を超えていますが、その中でも乱杭歯の割合は44.3%と、最も多い歯並びであります。
日本では八重歯は可愛いという印象が割とあるので、あまり気にしていない方もいるかと思います。
しかし外国人受けは悪く、意外と身体へのリスクが大きいので、放置していて良い事はないです。
通常「犬歯誘導」と言う、下顎を左右に歯ぎしりした時に上下の犬歯が最初に当たるようになっています。
犬歯誘導が得られていると、奥歯への過度な咬合力を防げるので歯や顎関節を保護する役割があります。
しかし八重歯だと上顎の犬歯の位置が高いので、犬歯誘導を得ることができず、顎関節症が原因で頭痛や肩こり・腰痛を発症する可能性があります。
そしてほうれい線のシワやたるみにも繋がるので、老け顔になりやすい特徴があります。
「八重歯だけだから治療しなくてもいい。」とは思わず、上下で噛んだ時に噛み合わせが正常でないと、全身のバランスが崩れてくるので顔や姿勢が歪んできます。
歯並びは見た目だけに影響するのではなく、体のすべてに関わってくるので、歯への意識を高く持ちましょう。
乱杭歯の原因について
乱杭歯になる原因は基本的に顎が小さいことです。
永久歯の大きさに対して顎が小さいと永久歯が綺麗に並ばず、開いているスペースに
生えてくるため、歯が重なったりデコボコの歯列になってしまいます。
そもそも顎が小さくなることには二つの要因があります。
遺伝的要因
骨格や歯の大きさ・形は遺伝しやすいので、ご両親の顎が小さい場合や歯が大きい場合は受け継ぐ可能性があります。
お子様の容姿によって「お母さん似」「お父さんに似」と言われるように、歯もどちらかに似ることがあります。
歯のサイズはほとんど遺伝的要因のみで決まりますが、顎の成長は遺伝的要因や栄養状態・環境的要因により制限されて歯と顎のバランスが悪くなることが多いです。
環境的要因
環境的要因というのは、顎の成長を妨げる癖を行っている場合や、乳歯が早期に抜歯したりすることで歯並びが悪くなってしまいます。
顎の成長に悪影響な癖は、口呼吸・低位舌・指しゃぶりなどを長期間行うことです。
口呼吸
本来の呼吸は口を閉じて鼻で息を行う鼻呼吸ですが、慢性鼻炎や口周りの力が弱いこと、歯並びの関係で口が閉じにくいと口で息をすることが楽になり、口呼吸が習慣になってしまいます。
口呼吸になると常に口が開いてしまうので、口周りの筋肉のバランスが崩れてしまいます。
歯並びは口周りの筋肉と大きく関係しており、頬と唇(外側)と舌(内側)からの力で正常な歯列になります。
しかし口が開くことで外側からの圧力がかからず、舌も本来の位置より下がり内側からの圧力もかからないため、歯並びが悪くなってしまうのです。
低位舌
舌の正常な位置は「スポット」と呼ばれる、上顎の凹んでいる部分です。
このスポットに舌を当てることによって、唾液や飲食物を飲み込む際に上顎を押し上げるので、上顎の成長を促します。
しかし口呼吸や常にお口ポカンと開いていると舌が自然と下顎に下がり、下顎の前歯を押してしまうので顎の成長バランスが悪くなるので、乱杭歯や出っ歯・受け口などのリスクが高くなります。
指しゃぶり
赤ちゃんの指しゃぶりは自然なことではありますが、頻度や期間によっては骨格に悪影響を与えてしまいます。
長期的に指しゃぶりを行うことで、上顎の裏側に指を押し付けて、吸う力が口腔内の圧力を高めるため「狭窄歯列弓」という、上顎がV字のように狭くなる歯列になりやすいです。
狭窄歯列弓になると永久歯が並びきらないので、当然歯並びは乱れてしまいます。
乱杭歯や前歯が突出する上顎前突(出っ歯)や、上下の前歯が噛み合わない開咬になるリスクが高くなります。
安心材料として指しゃぶりをしている子が多いので、強制的にやめさせるとストレスになってしまいます。
3歳以降も指しゃぶりが続いていれば、他の安心材料に変わる物を提案したり、自主的にやめられるようにきちんと説明したりしましょう。
さらに近年ではパンやパスタ、カレーや雑炊など柔らかい食べ物が多く、それらを好む方が多いので「噛む」という行為が少なくなってきています。
「噛む」ことは顎の発達を促進するので、普段からよく噛み、硬めの物や歯ごたえのある物を食べること脳に刺激が伝わり頭の回転や記憶力・運動能力などの向上にも繋がります。
昔は穀物や乾物、根菜類など噛むことが必要な食べ物が多かったので、戦前の食事では1420回噛み、約22分かかっていました。
しかし現代の食事は620回で約11分と噛む回数、食事時間ともに半分も減っています。
噛む回数の減少に伴い噛む力も弱くなっているので、ますます顎の成長不足で歯が並ぶスペースがなくなり、歯並びが悪いお子様が増加傾向にあるのです。
歯列矯正でどこまで治療できる?
歯列矯正は基本的に歯槽骨と歯肉が健康な状態であれば、ほとんどの症例を綺麗に治療することができます。
重度の骨格性の問題や、虫歯や重度の歯周病、顎関節症などがある場合はそれぞれの専門の治療が必要になってくるでしょう。
乱杭歯を治療する矯正方法では、
2)マウスピース型矯正があります。
どちらも治療期間の目安は2~3年程度ですが、症例が重度の場合は長引くこともあります。
乱杭歯の場合は抜歯をして、歯を並べるスペースを確保することが多いです。
しかし抜歯が必要な症例は歯の移動量が多いので、マウスピース型矯正では適応していないブランドがあるので気をつけて下さい。
歯列矯正を行うと歯の凹凸が改善されて、お顔の印象が変わります。
歯並びが良くなることで歯磨きもしやすくなるため、虫歯や歯周病の予防にもなり、将来の歯の喪失率を下げることで全身にかかる医療費の軽減にも繋がることがわかっています。
また噛み合わせが良くなると全体でしっかり噛むことができるので、咀嚼能力が向上し、胃腸の負担を軽減できます。
何より歯並びが綺麗になるとコンプレックスの解消に繋がり、自分に自信を持たす方法でもあるので、歯並びは歯列矯正で治療することをおすすめします。
まとめ
歯が重なったり凸凹に生えている歯並びを乱杭歯(叢生)と言いますが、乱杭歯でも歯列矯正で綺麗に治すことができます。
骨格に問題がある場合には外科手術と歯列矯正の組み合わせが必要になることもあるので、外科的な処置を提携している病院で相談しましょう。
乱杭歯の放置は全身の健康へ悪影響になるので、なるべく早めの治療することが望ましいです。
歯並びや歯列矯正の相談など、いつでもお気軽にお問合せ下さい。
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