渋谷矯正歯科の目指す「デジタル歯科矯正」の要になるのが、歯科用CT(3DCT)です。CTとは、デジタル処理によって立体撮影を行う「X線撮影装置」のことをいいます。かなり正確な三次元データが取得できるため、矯正治療の診断に役立ちます。
歯科用CTは物と物の重なりや形の把握に強く、矯正治療においては、歯の位置関係や骨の質・高さ・形を確認できるので、無駄の無い治療計画やリスク管理に役立ち、渋谷矯正歯科の矯正治療に欠かせない設備と言えます。
歯科用CTとはコンピューターによるデータ・画像処理によって、顎部分の断面図や立体的な3次元画像を取得できるX線撮影装置です。横になって撮影する医科用CTと異なり、歯科用CTは座ったまま撮影ができ、撮影時間も10数秒程度と短い特徴があります。
「レントゲン」とはX線撮影装置のこと全般を指すので、歯科用CTもレントゲンの一種です。ただ、一般的に「レントゲン」と言った時には、2次元での撮影装置を意味することが多く、患者さまもいわゆる歯科のレントゲンをイメージすることだと思います。
2次元のレントゲンと3次元のレントゲン(CT)にはそれぞれ役割があり、渋谷矯正歯科でも精密検査では両方の撮影を行います。
渋谷矯正歯科では歯科用CTの他、パノラマ・セファロ撮影のできるデジタルレントゲン(Hyper-G CM)も設置しています。
デジタルレントゲンはフィルム撮影のレントゲン装置に比べて、放射線量が少なく、撮影後すぐに画像をパソコン上で確認できるメリットがあります。
平面の画像として映し出される2次元レントゲンには画像に歪みが生じる他、骨の厚みや歯と歯の位置関係などがわかりにくい性質があります。
矯正治療では、歯を動かしていく際に、歯の根の状態や歯を支える骨の状態・形状を把握しておく必要があります。
2次元のレントゲンでもある程度の把握はできますが、「予測」で治療計画を立案する面もあります。一方で、立体で捉える3DCTでは、予測ではなく実際に目で見て確かめることができます。
歯列の乱れで矯正治療を相談する患者さまの中には、永久歯が生えてこず、歯肉内に埋まった状態の「埋伏歯」がある方もいます。状態によって、歯を引き出して整列させるか、抜歯をするかなどの対応がとられますが、診断のためには歯の角度や位置を立体的に把握する歯科用CTが重宝します。
歯が骨や歯茎の中に埋まったまま、外側に生えてこない状態のことを埋伏歯と呼びます。犬歯や親知らずは埋伏歯になりやすいのですが、患者さまご自身に埋伏歯があることに気づいていない場合も多く、パノラマレントゲンや歯科用CTを撮影することで初めて分かったということもあります。
矯正治療を行う場合には、正しく対処しないと治療の妨げになるため、まずは埋伏歯の生え方などを把握する必要があります。
また、難しい不正咬合や出っ歯などの症状に用いる「歯科矯正用アンカースクリュー」は歯を支える骨(歯槽骨)に直接設置します。設置する際には、設置する箇所の骨の厚みや状態、歯の根との位置関係などを正確に把握することがスクリューの動揺などのリスク回避につながります。歯周辺や顎部分を立体的に写しだす歯科用CTは欠かせません。
その他歯科用CTを用いることで、従来のレントゲンでは把握しづらい以下のようなものも見ることができます。
気になるのは歯科用CTの撮影時の放射線量だと思います。
渋谷矯正歯科で使用している歯科用CT(KaVo 3D
eXam)は放射線のパルス照射やデジタル画像処理によって、被ばく線量をごく少量にとどめています。歯科用CT(KaVo 3D
eXam)の最大撮影領域(H17cm×φ23cm)での実効線量は74μSv(マイクロシーベルト)。これは日本とニューヨーク間の飛行機による移動の片道分より低い数値です。
ちなみに、医科用CTで頭部のCT撮影を行うと1回約1500〜2000μSv。デジタルレントゲンでのセファログラム撮影は10μSv、パノラマレントゲンでは30μSv以下だと言われています。
渋谷矯正歯科では、歯科用CTの他に、パノラマ・セファロの撮影ができるデジタルレントゲンを導入。必要に応じて使い分けることで、患者さまが必要以上の放射線を浴びないよう、注意を払っています。
座ったまま、顎部分付近を撮影します。歯科用CTは撮影部分が限られている上、「コーンビーム方式」と呼ばれる方法で撮影するため、医科用CTと比べると被曝量は少量です。
歯科用CTは円錐状のビーム(コーンビーム)を照射するため、頭部をひと回りするだけで必要なデータを得ることができます。
医科用CTで採用されているファンビーム方式では放射線のビームが薄い扇型をしており、縦方向にある程度高さを持って撮影するためには、回転を繰り返す必要があり、そのため撮影時間と放射線量がかさみます。